平安時代に宴会に招いたお客様へのおもてなしの後に、おみやげとして馬を庭に引き出して贈ったことから引出物の名前がついたと言われています。
引出物にも流行があり、シーツ類(暖かく包む)から、置き時計(二人の時を刻む)に変わり、 割れるから良くないとされていた陶器が、数が増えるので良いとの解釈に変わり、お客様が自由に選べるカタログギフトにかわって来ました。
品物にお二人のお名前を入れることが流行ったりしたこともありましたが、現在では お贈りするお客様のお名前をお入れした物が流行っているようです。
しかし引出物は地域によって様々な特色がありとても興味深いものがあります。
そこで今回は地域性溢れる引出物を見ていきたいと思います。
北海道から東北
この地域は会費制の祝賀会が主流で、300人近い参加者になることがあるので、食器やタオルなどの記念品を贈る風習になっています。
最近ではお菓子の人気も高くなっているようです。
秋田県、山形県
寝具を用意する場合もあるそうです。大きいものなので結婚式の数日前までに引出物だけを届けて参加者の負担を抑えています。
秋田県横手市周辺では披露宴で出た料理を折り詰めにしてもらう習慣もあります。
まさにドギーバッグの先駆けですね。
容器は持参するようなのでお忘れなく。
新潟県
全国でも引出物の品数が多いのが特徴で、記念品、菓子、かご盛り、松の葉、赤飯、紅白餅の6品を揃えるのが一般的です。
松の葉とは新郎新婦の名刺代わりに、のしの上に「松の葉」、下に2人の名前を記入してペアグラスやタオルなど1000円程度の品を贈るものです。
それらを夫婦で参加しても別々に1人ずつ渡しているケースが多いです。
富山県
それも巨大な鯛や鶴などを見事にかたどった細工かまぼこと呼ばれるものです。
これが大きければ大きい方がいいとされ、最盛期にはかまぼこだけで10キロを超えたといいます。
あまりに食べられないので最近では2キロ程度にまでなったそうですが、それでもすごい量です。
愛知県、岐阜県
引き出物は大きくかさばる物で、なおかつ重い物が好まれます。
引出物の他に「名披露目(なびろめ)」をというものを添えます。
これは2人の名前を覚えてもらうため、品物に2人の名前を書いて贈るものです。
香川県
おいりは、桃色や白色、緑色など色鮮やかな丸いお菓子で、昔懐かしい優しい甘さがあります。
その食感はサクフワで口の中ですっと溶けてしまいます。
このおいりは、今から400年ほど前、讃岐の丸亀城主へお姫様の輿入れが決まった際、農民がお祝いにと献上したのがはじまりだそうです。
このように、地域によって様々な風習があってなくてはならないものになっています。
全国で同じではなくこのようにその場所ならではの引出物があると参加者としてはすごく楽しめます。
選ぶ側としてはまずは考えるのは参加者への感謝の気持ちと喜んでもらえる演出です。
ご年配の方もいれば若い方もいます。
みんなに喜んでもらえるものを考えるひとときも幸せなことではないでしょうか。